学校をサボった日のレム睡眠

今日は学校をサボって一日中ベットの中で悶々としてました。一応風邪という名目での「サボり」、もとい「休み」なわけですが、少し咳が出る程度で、熱がでるとかの重症ではありませんので僕のファンクラブのみんなは心配しないように。できればバレンタインの日にウチに見舞いに来てくれるとうれしい。セクシー下着着用で。


すみません。取り乱しました。
で、今日は昼飯を食った後、再びベットにもぐり込んでエロ本などを閲覧していたのですが、春の訪れのような速度で夢の世界からの使者が僕に召喚をかけにまいりました。僕は抗うことなく現実世界を離れ使者に付き従います。


さて僕の記憶が正しければ、最初に覚えているのが、汚い地下室で後ろ手に縛られて裁判を受けているシーンです。傍聴席からしきりに僕のことを罵る汚い言葉の数々が飛んできます。僕はそれに応酬して、履いているスリッパをバカどもに投げつけます。するとそれまで黙り込んでいた裁判官たちが直々に僕を法廷から連れ出し、お猿の汽車に乗せて極寒のシベリアまで送らせます。僕は収容所送りにされるのでしょうか……
お猿の汽車に乗せられて数秒もしないうちに、見たことも無い深夜の国道脇で落とされます。あたりは煌々と街灯がきらめき葉虫の鳴き声以外に聞こえるものが無いしずけさです。夢が始まってから数分もしないうちにスリルとサスペンスのど真ん中です。
僕はこの先どうなるのでしょうか。漠然とした不安感が僕を包み込み、あても無く夜の街道をさまよい歩きます。
この後、僕は突如次元の狭間に落っこちます。意識を失っているあいだに。気付けば車の後部座席に乗せられています。酷い運転のせいで右によろめき、左にぶつかりもう散々です。すると車の運転手のオジサンが「なんという、なんという……なんという」と呟きはじめます。なんと言うデンパでしょうか。ヤクが切れたのが? おっさん。
不安がっている僕を完全無視なそのオッサンは 突如、タクシーの要領で後部座席のドアを自動開けし、僕を車から振り落とします。「食い逃げだ!」という謎のセリフを残しオッサン自動車は猛スピードで深夜の国道を走り去っていきます。いつ食ったんだ?
僕は車から振り落とされて、体の節々に感じる痛みに似た奇妙な感覚を抑えつつ、またあても無く歩き出します。すると近くに小さな民家が数件立ち並んでいます。窓から漏れる明かりを頼りに、僕はフラフラとその家へ向かいます。
そのあと僕は、窓の隙間から息を呑むような光景を目撃します。気分はまさに家政婦です。大沢家政婦紹介所から参りました〜。

おお、なんということでしょう。板で打ち付けられ「窓の痕跡」と化したその隙間から覗く室内の光景は……
14、5歳のうら若い少女たちが6,7人、不規則な格好で毛布もかけず雑魚寝しているではないですか!
彼女たちは一体!? 僕の疑問をよそにその少女達は、天使のような寝顔でスヤスヤと眠りについています。なんと無防備な。それになんという露出度の高い格好なのだ!
やはり眠る前に読んだ「エロ本」の影響でしょうか。読んでおいて正解です。
僕は抑えられない衝動に駆られ、民家のドアから勝手に侵入を試みます。カギがかかってないので楽々侵入成功です。さすが僕の夢。すでに無敵モードです。
僕は彼女たちを起さないように抜き足差し足。
へっへっへ。訳の分らん裁判から猿の汽車に乗せられ、ジャンキーのオッサンに食い逃げ扱いされていた夢の中でもうだつのあがらない僕に、ようやく出番がまわってきたぜ。
僕は彼女たちのいる部屋のど真ん中に腰を下ろし物色を開始します。夢の中での僕は基本的にコントロールが効かないので、もう成り行き任せです。
さあこの後、血も凍るような成人指定の肉欲バザールが開始されるのでしょうか。独りときめく僕は、窓の隙間から射す外の明かりだけが唯一の照明である暗い室内で、天使たちを舐め回すように睥睨します。
そのとき、僕は部屋の隅に寝ていた女の子がムクリと起き出したことに感づきました。しかし夢のなかの僕に怖いものなんてありません。起き出したのならむしろ好都合! 
僕はその少女に視線を合わせ。こちらの存在に気付くのを今か今かと待っています。
薄暗い部屋の中で少女はキャミソールに短パンという色気バツグンの格好でゆっくりと起き出しこちらに視点をあわせます。まだ目が完全に覚めてないのでしょうか。こちらに顔を向けてもすぐには僕の存在に気付きません。少女はゆっくりと立ち上がり「う〜」と声をあげます。「なんという田舎侍じゃ……」


少女はそうのたまい、僕を夢から現実へと戻してくれました。
なんだよ! せっかくいいところだったのに。っていうか田舎侍ってなんだよお嬢ちゃん!